上場企業と株価

東京株式市場の日経平均株価が、バブル崩壊後の最高値を更新しました。

連日の株高を支えているのは、海外投資家からの買い注文の広がりです。

景気の減速が懸念される欧米株よりも、割安に放置された日本株の方が、この先期待できると見る海外投資家は多いそうです。

企業が稼ぐ利益や保有する資産などから算出された企業価値に比べて、低い株価の株を割安株(バリュー株)といいます。

通常、株価は、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)などの指標を用いて割高・割安を判断しますが、株価がPBR一倍を切る状態は、市場から会社の清算価値を下回る評価を下されていることになります。

割安株には、成熟した業種の企業や業績の伸びしろの小さな企業が多く、東証(東京証券取引所)も、PBR一倍を切った株価で放置された株は問題があるとみて、先ごろ、PBRの低迷する企業に対して改善策の開示や実施を要請しました。

割安株に対して、企業の成長性や将来性が高く評価されている株のことを成長株(グロース株)といいます。

成長株は、売上や利益の成長率が高く、将来の大きな株価上昇が期待できることから、PBR やPERが市場平均よりも高い傾向にあります。

成長株には、顧客ニーズを的確に捉えて業績が急伸する企業や、革新的な商品・サービスで新市場を開拓して今後の成長が期待できる企業などが該当します。

成長株は、将来に大きな企業価値の上昇が見込まれる一方で、商品・サービスの研究開発や優秀な人材の獲得などで、赤字が先行して、場合によっては事業が失敗する可能性もあります。

上場企業は、株価という物差しで企業の経営が外部の第三者から毎日評価されています。

自社の株価と真摯に向き合う会社とそうでない会社の間には、埋めることのできない格差が、ますます広がっていくことになります。

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