パーパス経営

自社は何のために存在しているのか、そんな根源的な問いに、多くの経営者が向き合っています。

近年はVUCA(Volatility:変動性・Uncertainty:不確実性・Complexity:複雑性・Ambiguity:曖昧性)という言葉が使われるように、先行きが不透明で将来を予測することが難しい時代です。

そうしたVUCAの時代は、自社の幅広いステークホルダーに自社のパーパス(存在意義)をきちんと理解してもらい、ビジネスに共感してもらう重要性が高いといえます。

実際、世の中にモノが溢れる時代になると、物欲や所有欲が低く、必要のないものにはお金を使わない人が増えました。

しかし、その代わりに、自らの消費行為の中に価値観の実現や社会的意義を求める人が増え、そうした人たちは機能や価格よりも社会や環境に良い商品・サービスを選ぶようになっています。

ですから、彼らに自社の商品・サービスをアピールする際は、その商品・サービスの成り立ちや社会的意義を説明し、理解して共感してもらうことがとても重要なわけです。

また、VUCAの時代に企業が大きく成長するには、イノベーションの実現が不可欠です。

企業が自社のパーパスを定義することは、多様な人材がパーパスを起点にして物事を考え、目指すべきイノベーションに向かってコラボレーションを加速化させることを可能にします。

とはいえ、自社のパーパスを決定することは容易ではありません。

とくに、拙速なトップダウンによるパーパス決定には、注意が必要です。

経営者が聞こえのよいフレーズのパーパスを社員に押しつけても、社員が腹落ちしなければ、パーパスが具体的な戦略、新しい商品・サービスのカタチになることはないからです。

経営者と社員がパーパスを自分ごとと捉えて実際に行動するためには、経営者と社員が一緒になり、自社は何のために存在しているのか、その根源的な問いに向き合い、答えを見つけ出していくほかありません。

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