チャレンジという投資
様々な課題に迅速に対応することは重要ですが、課題に直面する都度、対応を検討する方法は解決が後手に回ることがあり、常に最善とはいえません。
時には、将来の起こりうる事態を事前に予想し、対応を先取りするほうが良い結果に繋がる場合もあります。
緊急時に、組織が主体性を高めて先取りした行動ができるようになるためには、日頃から社員一人一人の個性に応じた評価を行ない、自ら主体的に行動できる社員を育てていくことが重要です。
たとえば、決まった内容やマニュアル通りに仕事をすることが得意な社員には、主体的な行動を評価するよりも、従来からの改善点を評価するほうが、本人のモチベーションが上がり、能力の向上に繋がっていきます。
一方、新しいことや改良・改善が得意な社員には、実際の成果を評価するよりも、積極的にチャレンジした点を評価するほうが、本人の成長を促すことになります。
人間は、失敗したらどうしようという不安が強いと、主体的な行動や積極的な行動をとることができません。
仕事の成果を評価することは、たしかに公平で客観的に優れていますが、失敗の不安は社員を萎縮した行動へと次第に押しやっていきます。
社員は、困難なチャレンジをしても成果が出なければ一切評価されないという事実からは、小さくても成果を出すほうがマシという知恵しか学ぶことができません。
組織が、社員の失敗を責めず、むしろチャレンジした点を評価するようになれば、失敗を恐れず、自ら主体的に行動できる社員を育てていくことができます。