関税と自由貿易
日本やオーストラリアなどが参加するTPP (環太平洋連携協定)に新たに英国が加わりました。
これでTPP 参加国は全部で12ヶ国となり、参加国のGDP(国内総生産)の合計は約2,200兆円、世界全体のGDPに占める割合は約15%に相当します。
広域の自由貿易拡大を目指すTPP の枠組みは、インド太平洋地域から欧州地域へと拡大し、今後はコスタリカ、中国、台湾、インドネシア、ウクライナなどの国と地域が加わる見込みです。
各国がTPPに参加する目的は、域内の農産品および工業品の関税を削減あるいは撤廃して、投資や知的財産権などの幅広い分野で共通ルールを作成し、域内の自由貿易を活発化させることにあります。
一方、こうした自由貿易の拡大の動きに対して、自国の国内産業を保護するために、新たに関税を設けたり、関税の税率を引き上げたりする動きが見られます。
GDP 世界第一位の米国では、来年1月にTPP離脱を決めたトランプ前大統領が返り咲きます。
すでにトランプ前大統領は、来年の大統領就任後には、メキシコとカナダに25%の関税を課すほか、中国に対して10%の追加関税を課すことを表明しました。
今後、各国の共存共栄を目指す自由貿易の意義が、トランプ次期大統領に対して、果たしてどの様に対抗していくのか、目を離すことができません。