人材の定着と育成
働き手が減るなかでの人材不足の解消は難しい問題といえます。
とくに、新卒社員をゼロから教育したり、即戦力を中途採用できない会社では、今いる社員の定着と育成が重要になります。
教育の徹底
人数が少ない中小企業では、社員一人が担当する業務は広くなりがちです。
社員には、仕事をマルチにこなす能力が求められます。
ただ、会社に教育制度がなかったり、教育方針がマンツーマン指導にかたよると、社員のなかに仕事が上手く覚えられない者がでてきます。
仕事は、教えてもらったことをベースにして、あとは自分で考えて努力して身につけるものです。
ただ、それが上手くできない社員やあまり努力しない社員は厄介です。
かりに、社内にあの人は仕事をあまり覚えないという評判が広まると、手を打たなければ会社が仕事に責任を持たない社員を是認することになります。
また、仕事を覚えない社員が増えてくると、人事異動や業務運営にも支障が生じるようになります。
会社の総力向上には、社員の能力引き上げが不可欠です。
会社は、社員の能力が目標レベルを維持できるように、教育制度や教育方針を常に見直すことが重要です。
評価や問題の改善
会社には、人よりも仕事をして会社に貢献しているのに評価されず、割に合わない、やる気が出ないと感じる社員がいます。
あるいは、会社の組織や制度、人間関係や仕事のやり方などで困っている社員がいます。
もし会社が、そういう社員の存在に気づかないとすれば、大きな問題です。
まずは社員一人一人の話を聞いて、感じている不満や困っている問題を把握して、状況を改善できる方法を検討することが重要です。
長時間労働に不満がある社員には、業務量や作業内容の見直し、人員の増員などが検討できます。
新しい事に挑戦したいと考える社員には、新規事業のアイディア募集や社内公募制度が適当です。
社員とのコミュニケーションを密にして、社員がやる気を出して伸び伸び働ける会社を目指すことが大事です。
もっとも、社員全員の不満や問題を聞き取って検討しても、全員が納得するような評価や満足する状況を作りだすことは現実には不可能です。
かならず誰か納得できていない社員や引き続き問題に困っている社員が残ります。
ですが、会社が社員の話を聞き、状況の改善に努力を続ける限り、社員は希望を失わず、会社の総力を維持することができます。