時代の変化とビジネスの動き

顧客が来店して食事をしたり、買い物をする都度、売り上げがあがるビジネスをフロービジネスといい、習い事や雑誌の定期購読のように、顧客が継続して商品・サービスを購入するビジネスをストックビジネスといいます。

一般に、一時的な取引を繰り返すフロービジネスは、定期契約に基づくストックビジネスに比べて収入が安定しないといわれています。

しかし、最近の情報通信技術の進歩と新型コロナによる新しい生活スタイルは、こうしたフロービジネスやストックビジネスに大きな変化をもたらしています。

たとえば、インターネットとデリバリーの組み合わせは、飲食業や小売業の狭い商圏と店舗面積の問題を解決しつつあります。

いま流行りのゴーストキッチンは、デリバリーや持ち帰り客がターゲットなので、店舗の広さは重要でなく、対象顧客のエリアも拡大します。

また、メールマガジンやWEBサイトを積極活用することで、希薄になり易い顧客との接点を強化することができます。

スポーツジムや学習塾のような習い事ビジネスでは、新型コロナの影響で、月額定額制のオンラインレッスンが急速に普及しました。

オンラインレッスンの受講者は、サイトにアクセスして好きな時間にレッスンを受けることができて、レッスン料が通常レッスンよりも安価なので、人気があります。

他にも、月額定額制で洋服をレンタルするビジネスでは、プロが選んだ洋服を自宅やコンビニで好きな時間に受け取り、返したいときにはいつでも返却できるサービスが登場しました。

消費者の、モノは持たずに必要なときだけ使いたい、というニーズに応えるビジネスで、売り切り型ビジネスとの競合が指摘されています。

また、事業者のデリバリーの積極活用は、店舗の賃貸借ビジネスに影響します。

デリバリー専用の事業者は、集客に必要な店舗が不要になるので、高額な家賃の支払からは解放されます。

ただし、その分は配達料金が増えるので、事業のコスト構造は固定費が減って変動費が増えることになります。

ビジネスには様々なスタイルがあり、そのスタイルは時代とともに変化します。

最近の情報通信技術の進歩と新型コロナによる新しい生活スタイルは、従来のビジネスを大きく変えていくため、その動きには注意が必要です。

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