新陳代謝を促がす変化適応力
ビジネスにも人間と同じように新陳代謝が必要です。
ビジネスの新陳代謝が活発な企業は、時代に適した事業の移行が常に実施されるため、企業の健康寿命が長くなります。
経営者のタイプ、年齢、ビジネスの種類などによって多少の違いは生じますが、事業を創造期、成長期、成熟期、衰退期に区分して、3年、5年、10年の単位で客観的に分析していくことが重要です。
事業の創造期には、一般的にビジネスモデルが確立できておらず、売上が安定しないために、利益が出ない時期が続きます。
そのため、事業を継続していくには、顧客が増え始める成長期へと、いかに早く移行できるかがカギとなります。
事業が成長期に移ると、売上は順調に増加していき、利益もどんどん出るようになります。
しかし、その反面、事業が拡大するにしたがって人材が不足していき、新規投資するための資金も足りなくなります。
ですから、事業の成長期には、事業を拡大するための追加の人材の確保と投資資金の新規調達が不可欠となります。
事業の拡大が収まり、事業がやがて成熟期に移ると、企業には内部留保が貯まり、経営は安定してきます。
しかし、事業の成熟期は、事業の成長が壁にぶつかり、企業内に事業の衰退に繋がる芽が生まれてくる危険な時期でもあります。
例えば、事業を創造して成長させてきたメンバーが年を取ってくると、事業が衰退モードへと入っていく可能性が高まります。
同じメンバーが長く同じ事業に関わることが組織をマンネリ化させ、新しいことに挑戦しない、自分たちの常識を疑わない、変化に気づかない、そういう状態に陥る恐れが出てきます。
事業が衰退し始めると、徐々に売上と利益が減っていき、事業を以前の状態に戻すことや現状を維持することがだんだん難しくなります。
多くの場合、衰退の兆候は、自社マーケットの縮小や顧客行動の変化に見て取れます。
徐々に、自分たちが変化する外部環境や顧客ニーズに適応できなくなり、マーケットをライバル企業に奪われていきます。
事業の衰退は、一度始まるとそれを食い止めるのは非常に困難です。
事業に深いこだわりを持ち、自社の強みを徹底的に磨くことは大事ですが、そのこだわりを捨て、外部環境や顧客ニーズの変化に自分たちを柔軟に適応させることはもっと大事です。
企業が長く事業を続けていくには、企業内に事業の新陳代謝を促がす変化適応力が常に必要となります。