攻めと守りのバランス
経営における攻めと守りのバランスは、企業の持続的成長と存続に欠かせない要素です。
新規事業に慎重になりすぎて市場の変化に乗り遅れたり、無理な価格競争が原因で資金繰りの悪化を招いたり、経営のリスクを取る・取らないの判断が将来の業績に直結します。
しかしながら、どの程度のリスクなら許容範囲なのかを判断することは困難です。
リスクを恐れて何も挑戦しなければ成長の機会を失い、無謀な挑戦は企業の経営を危うくします。
リスクについて、大企業のような管理体制を整備することは難しくても、自社なりの基準を持つことは役立ちます。
赤字が3期続いたら事業の撤退を決めること、投資は自己資本を超えない範囲の借入金で賄うことなど、遭遇する状況ごとにリスクを取る・取らないの基本軸を設けることが有効です。
企業にとっての健全なリスク判断とは、守りの姿勢を持ちつつ、必要なリスクを取る勇気を失わないことです。
企業が自社の体力と市場や環境の変化を見極め、どの程度のリスクなら耐えられるかを意識的に定めることは、持続的な成長につながる第一歩です。
現在のように不確実な時代には、守りの堅さと攻めの柔軟さの両方を兼ね備える経営が求められるのかもしれません。