二項対立を超えて
昨日の参議院選挙では、減税がひとつの大きなテーマになりました。
物価の上昇や家計の負担が続く中で、消費税や所得税を減らしてほしいという声が広がっています。
たしかに、税金が少なくなれば、毎日の暮らしは少し楽になるかもしれません。
特に消費税は、どんな人でも必ず払う税金なので、負担感が大きいと感じている人も多いでしょう。
だからこそ、消費税を一時的にでも下げてほしいという意見には、共感が集まります。
でも、その一方で、減税をすれば国の財源は減ります。
消費税は、医療や年金、教育など、社会保障サービスのために使われています。
減税すれば生活は楽になるけれど、将来の安心が揺らぐかもしれない。
こうした二項対立の構図が、私たちの選択を難しくします。
でも、本当に今の生活を守ることと将来の社会保障を支えることは、どちらかしか選べないものでしょうか。
ここで見落としてはいけないのが、成長というもう一つの選択肢です。
経済が成長すれば、企業の利益も、個人の所得も、税収も自然と増えていきます。
そうなれば、減税をしても必要な財源を確保でき、暮らしと将来の安心を両立させることができるかもしれません。
物価高と減税、そのどちらかを選ぶのではなく、どちらも実現できる社会をどう作るか。
難しいかもしれませんが、対立を超えるための前向きな道筋です。
参議院選挙が終わった今こそ、減税か財政維持かという対立を超えて、経済成長を軸にした現実的で持続可能な政策議論が、これまで以上に進むことを期待します。