借入の判断
事業を成長させるために、資金は欠かせません。
現状維持では会社は伸びず、成長期には設備投資や人員増強などの先行投資が必要です。
その際、有力な資金調達手段となるのが借入金です。
ただし、借入金は将来必ず返済しなければならない負担でもあります。
その事実は、平時にはあまり意識されませんが、廃業、事業譲渡、事業承継といった局面では、その重大さがはっきりとあらわれます。
会社の借入金が多額であれば、会社の売却は難しくなり、後継者に引き継ぐ際には大きな心理的負担を与えます。
また、会社は長く続くことを前提に経営されますが、すべての会社が成長し続けるわけではありません。
会社には成長期、成熟期といったライフサイクルがあります。
成長期には、借入金が事業を一段引き上げる起爆剤となるかもしれません。
しかし成熟期には、借入金を増やすよりも返済を進めて、財務体質を強化するほうが良い場合もあります。
足元では金利の先高感が強まり、借入コストの増加が見込まれるようになりました。
こうした状況で借入金を安易に増やすことは、将来の経営の自由度を狭めるリスクがあります。
成長のための借入金の増加と、守りのための借入金の抑制。
どちらの選択が自社にとって適当なのか。
自社のライフサイクルを冷静に見極め、これまで以上に慎重な判断が求められることになります。