事業拡大と財務戦略

多くの経営者が、売上を増やしたい、会社をもう少し大きくしたい、と考えます。

いまあるノウハウや人材、設備を活用して、事業の拡大を目指す場合は、既存事業を強化することになります。

また、5年後、10年後を見すえて、ちがう領域に進出するのであれば、新規事業に取り組むことになります。

ただ、どちらにしても、事業を拡大する際には、業績への負担がかかるため、内部留保した利益を活用する財務戦略が有効です。

既存事業の強化

既存事業の強化とは、すでにある商品やサービスの量を増やして、業績を伸ばす戦略です。

とはいえ、競合他社のシェアを奪うのは簡単ではありません。

そのため、この戦略は、市場が拡大する好況期に集中しやすくなります。

好況期は、仕事量を増やせば、売り上げを増やすことができます。

そのため、多くの会社は、この時期に商品・サービスの増産投資をおこないます。

ただ、好況期の投資は割高で、必ずしも内容のよい投資とは限りません。

結果として、不況期には経営の重荷になることもあります。

こうした流れを変えるには、好況期は投資を抑制して、不況期に厳選しておこなうのがよいでしょう。

不況期は、市場にモノが溢れるので、モノの価格は下がります。

また、多くの中から欲しいモノを選べるので、必然的に、良いものを割安に買うことができます。

こうした不況期の優良投資ができれば、つぎの好況期の増産を可能にして利益を生みだすという、良い流れができるかもしれません。

ただ、不況期の投資は業績への負担から実施することが難しい場合もあります。

そういうときには、好況期の利益を内部留保しておき、不況期にその利益を取り崩すという、財務戦略が有効です。

新規事業の進出

既存事業と異なる領域で収益の柱をつくるには、ゼロから専門知識とノウハウを習得しなければなりません。

それには、多くの時間とコストがかかります。

また、事業化できる時期も、かかるコストの総額も、はっきりとはわかりません。

ただ、新規事業で重要なことは、業績の良し悪しに関係なく、毎期一定の投資をしつづけることです。

そのためには、好況期の利益を内部留保しておき、不況期にその利益を取り崩すという、財務戦略が効果的です。

まとめ

多くの経営者が、売上を増やしたい、会社をもう少し大きくしたい、と事業の拡大を考えます。

ただし、事業を拡大する際には、業績への負担がかかるため、内部留保した利益を活用する財務戦略が有効です。

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