損益計算書の点検

会社の状況を正しく理解していなければ、正しい経営判断はできません。

損益計算書には売上高や利益などの重要な数字が記録されています。

損益計算書を点検することで、会社の経営状況を確認することができます。

売上高を点検する

損益計算書では、まず売上高をみます。

前月との比較や、前年同月との比較、予想値との比較など、順番に確認していきます。

前月との比較では、営業や販売、出荷や検収などの状況とくらべて、実績値に不整合な点がないかを確認します。

前年同月との比較では、一年前の景気や市場、会社の状況とくらべて、現在がよくなっているのか、悪くなっているのかを確認します。

予想値との比較では、実績と予想のズレを確認します。

とくに実績と予想が大きくズレているような場合は注意します。

なにか経営が把握できていない問題があるのかもしれません。

実績が大きく上ブレしていても、かならず原因の究明をおこなうようにします。

粗利を点検する

売上高から売上原価を引いたものが粗利(売上総利益)です。

粗利はビジネスからうまれる付加価値であり、すべての経費をまかなう原資になります。

したがって、想定どおりに粗利を得ているのかどうかを確認することは重要です。

粗利では、想定粗利率(粗利÷売上高)と実際粗利率の差に着目します。

商品の値上げ・値引き、仕入・製造コストの増減が、粗利率にどう影響しているのかをみます。

粗利率への影響が一時的なものでなければ、想定の粗利率を見直します。

経費を点検する

経費には、人件費や家賃などの固定費と広告費や販売費などの変動費があります。

固定費はいったん増加すると削減することが難しいため、定期的に増減を確認します。

また、固定費が増加して原因がよくわからないときは、一律に使用量を削減することを検討します。

変動費は売上高を増やす目的で使います。

そのため、節約しようという発想にはあまりなりません。

変動費では、売上高との関係に着目して定期的に支出の効果を測定します。

顧客ニーズの変化や営業ツールの多様化などが、変動費の支出効果に大きく影響する場合があります。

過去の経験を重視しすぎず、取引先の変更や新規ツールの採用など、やり方を変えてみることも大切です。

まとめ

損益計算書には売上高や利益などの重要な数字が記録されています。

損益計算書を点検することで、会社の経営状況を確認して正しい経営判断をおこなうことが可能です。

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