意識変換のプロセス
世界を取り巻く環境が激しく変化して先行きがわからず、人びとの価値観が多様化しています。
企業は、そうした世の中の動きに対応するため、常に新しい取り組みに挑戦していかなければなりません。
企業は、新しい戦略や施策を経営計画に盛り込み、社内にプロジェクトチームを組成して活動します。
しかし、プロジェクトが軌道に乗り、新しい戦略や施策が効果を発揮する例は、意外と少ないように感じます。
たとえば、プロジェクトメンバーが実際は上手くいかないと感じながら、プロジェクトを走らせてしまうことは原因の一つといえます。
ですが、その根本には、プロジェクトメンバーの考えや気持ちを上司や役員に伝えられないという、もっと大きな問題が潜みます。
社員が上司の指示に対して、十分に納得しないまま行動してしまう状態は、企業内に様々な問題を引き起こし、原因の所在を分かりづらくします。
企業は、上司や役員が社員にやるべきことを指示すれば、それで物事が進んでいくと考えるのは危険です。
世の中で起こる様々な問題に対して明確な答えが出せない現在は、価値観の異なる社員を一つの目的に向かって協力させていくこと自体が難しいといえます。
企業は、プロジェクトを組成して新しい取り組みを実施する際は、それよりも先に、上司や役員、社員どうしが自由に意見をぶつけ合い、お互いを理解し合って、社員が指示されたことを自分事に変換させるプロセスが必要なことを認識すべきです。