データ活用

トヨタ自動車は異業種企業と協力しながら、住民が生活する街(静岡県裾野市のウーブン・シティ)を実験台にして、自動車の自動運転データだけでなく自動車とは直接関係のないヒトの生活データを集めようとしています。

日常生活で生じる膨大なヒトの行動データ(購買履歴、移動履歴、健康状態、SNS発信履歴など)を収集・分析して、将来活用するためです。

これまでヒトの行動データの収集・分析は、巨大な顧客基盤と専用システムを所有する大企業に限られると考えられてきました。

しかし最近は、デジタル化の進展やクラウドサービスの普及によって身近なヒトの行動データならば、中小企業でも収集・分析できる環境が整いつつあります。

例えば、飲食店や小売業のPOSシステムに蓄積された購買履歴は顧客の嗜好を示す貴重なデータであり、そのデータを分析すれば在庫の削減や顧客リピートの増加に活用することが可能です。

同様に製造業でも、工場で働く社員の日々の生産記録や機械の操作記録を分析すれば、歩留まりの改善や技術力の向上に活用することができます。

小さな企業は、顧客や社員との間に顔の見える信頼関係を築くことができます。

身近で質の高いデータは、小さな企業だからこそ入手できるのです。

ヒトの行動データが工夫次第で大きな価値を生み出す、中小企業にもそういう時代が到来したと認識すべきです。

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