経済安全保障のリスク

政治と経済の関係は、ある出来事をきっかけに大きく変わることがあります。

ロシアによるウクライナ侵攻が、その一例です。

世界は、各国が相互依存関係で結ばれて経済成長していた時代から、民主主義と権威主義が対立して、各国の思惑が経済を分断する時代へと突入しました。

その結果、世界各国では、自国の経済安全保障を確保する政策の重要度が増しています。

一般的に、経済安全保障というと、特定の国との政治関係の悪化に備えて、必要な経済取引上の対策を講じる政策と理解されますが、その対象は広範囲です。

例えば、ロシアによるウクライナ侵攻後は、ロシア以外の国々との取引が規制の対象となっています。

日本の中小企業には、高度な技術情報等が存在します。

社会のデジタル化が急速に進み、高度な技術情報等の持出しは容易になっています。

もしも、軍事転用の恐れがある高度な技術情報等が敵対国に流出すれば、自社のみならず、日本が大きな損害を被る可能性があります。

しかし、中小企業が経済安全保障のリスク対策でできることは限られています。

それでも、事前にリスクを想定して、できる範囲の対策を講じておけば、いざという時の動きは大きく変わります。

中小企業が、経済安全保障のリスク対策をどこまで講じるかは悩ましい問題ですが、当面はこの難しい問題と向き合わなければなりません。

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