低業績・低処遇という悪循環からの脱出
会社の業績を伸ばすには社員のやる気が欠かせません。
しかし、業績の悪い会社がやる気のでるような給与・ボーナスを社員に払うのは容易ではありません。
その結果、業績が悪いから給与・ボーナスは上がらない、給与・ボーナスが上がらないから業績が悪いという悪循環におちいります。
ここから抜け出すのは大変な苦労が必要ですが、きっかけを作るのは経営者のマインドなので、とても重要です。
鶏が先か卵が先か
会社の業績と人件費の関係をみると、やはり業績の良い会社で働く社員ほど手厚い給与・ボーナスを貰っているようにみえます。
ここから思い浮かぶのは、好業績だから高処遇をするのか、それとも高処遇をするから好業績になるのかという、鶏が先か卵が先かの話です。
好業績だから高処遇をするというのは、社員に頑張った分をしっかりとリターンするという見方で、高処遇をするから好業績になるというのは、これからの社員の頑張りを見越して投資するという見方です。
無い袖は振れない
ただ、業績の悪い会社はこの話とは無縁です。
何しろ、業績の悪い会社の多くが、社員の給与・ボーナスを引き上げようにも、元手となる利益や内部留保がないからです。
結局、こうした会社は、低業績だから低処遇になり、低処遇だから低業績になるという、別の意味の鶏と卵の関係におちいります。
経営者のマインド
では、業績が悪くて内部留保がない会社は、低業績・低処遇という悪循環からどうやって抜け出せばよいでしょうか。
人は、何かに投資をするとき、その投資に見合うリターンがあるかどうかを判断します。
ただ、この判断は必ずしもお金のことだけとは限りません。
ときには、お金以外のモノやカタチになることがあります。
スタートアップと呼ばれる起業家たちは、何もないところからビジネスを組み立てようと必死に苦労します。
このとき彼らが望むリターンは、世の中に対して感じている自分たちの問題意識をビジネスを通じて解決できるという事実です。
そのために、自分たちが生み出すビジネスの価値をできるだけ多くの人に届けようと必死に努力します。
彼らの本気の情熱は、しだいに投資家や社員のこころを動かし始めます。
もっと会社を良くしたい、頑張った社員には十分に満足できるだけの給与・ボーナスを払ってあげたい。
そうした思いは、多くの経験を積んできたベテラン経営者にもあるはずです。
会社が苦しいときこそ、経営者は自分の知識や経験、アイデアや情熱のすべてを会社の成長のために投入しなければなりません。
その直向きの努力が、頑張ればもっと良い会社にできるかもしれないという社員のやる気を引き出すきっかけになるはずです。
まとめ
会社の業績を伸ばすには社員のやる気が欠かせません。
しかし、業績の悪い会社は、ときとして業績が悪いから給与・ボーナスは上がらない、給与・ボーナスが上がらないから業績が悪いという悪循環におちいります。
ここから抜け出すのは大変な苦労が必要ですが、きっかけを作るのは経営者のマインドなので、とても重要です。