社内改革の実行
社内改革の実行には社員の意識改革と推進組織の構築が不可欠です。
そのためには、一定の時間と労力を真剣な議論に割かなければならず、改革の規模が大きくなれば、それだけ必要な時間と労力は増していきます。
社内改革の議論で一番難しいのは、社員の繁忙を嫌う気持ちと変化への不安を取り除きながら、改革を推し進める力へと変えていくこと、そして、そのための組織を社内に構築することです。
ただし、この種の議論では明快な結論が出ないことが多く、社員の業務負担を増やしただけに終わることや、時には社内に無用の混乱を招くことがあるため、経営者は議論の着手に後ろ向きです。
とはいえ、ビジネスを取り巻く環境は、毎日目まぐるしく変化していきます。
消費者ニーズはどんどん多様化していき、デジタルテクノロジーの進化も急速です。
世の中が大きく変わっていけば、会社も大きく変わらなければならないタイミングが必ずやってきます。
自社の業績が突然不振に陥ったり、慢性的に収益が減っていく状況は、従来のやり方が通用しなくなっているサインかもしれません。
現状を維持しようと頑張ることは大事ですが、そのこだわりが強すぎると、やるべきことが先送りされ、変化するタイミングを見逃してしまうかもしれません。
経営者は、ビジネスを取り巻く環境と自社の状況をつぶさに観察しながら、社内改革の実行について熟慮を重ねていかなければなりません。
もしも必要なら、専門家やコンサルタント、社内改革に成功した企業の力を借りることも有用です。
経営者が改革のリスクを背負い、改革の推進に強い信念と情熱を持つこと、社内改革の実行には、そうした経営者の覚悟が必要です。