ガソリン税

野党は、ガソリン税に1リットル当たり25.1円を上乗せしている暫定税率を廃止する法案を国会に提出しました。

暫定税率は当初、時限的措置として導入されましたが、その後も長年にわたり課税が続いています。

仮に暫定税率を廃止すれば、消費者にはガソリン価格の低下という恩恵があり、物流費の高騰を抑制する効果も見込まれます。

一方で、財政面では国と地方を合わせて年間約1兆円、軽油引取税も含めれば約1兆5,000億円の税収減が予想されます。

ガソリン税は2009年4月から一般財源化され、道路整備だけでなく社会保障や地方交付税の原資としても使われています。

特に自動車利用の多い地方自治体にとっては重要な財源であり、暫定税率の廃止は地方財政を直撃します。

国としても、国債発行残高が1,000兆円を超える中で、税収減を国債発行で補えば金利上昇や利払い負担の増大を招きかねません。

ガソリン税は徴収コストが低く、経済動向による税収変動も比較的緩やかなため、安定財源といえる税金です。

結局のところ、ガソリン税の暫定税率廃止は生活コストや事業コストを下げる一方、中長期的には国の財政再建や地方財政の持続可能性に深刻な課題を投げかけます。

減税と財源確保の両立をどう図るのか。

単なるガソリン価格対策ではなく、国と地方を含めた財政全体を見据えた議論が求められます。

今後、与野党が代替財源の方針をどのように示し、議論を深められるかが焦点となります。

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