良い忖度と悪い忖度
最近ふたたび、忖度という言葉をよく耳にします。
忖度とは、他人の心情を推し量ること、あるいは、推し量って相手に配慮するという意味です。
2017年に発生した森友・加計問題で大きく取り上げられ、ここ数日は、某大手芸能事務所の性加害問題において、マスコミ各社の長年にわたる黙認(忖度)の事実が明らかになりました。
忖度という言葉には、相手の気持ちを推測するという意味しかありません。
すなわち、自分が相手の立場に立って物事を考える、ということです。
時に、相手への忖度は、良い忖度と悪い忖度に結果が分かれます。
たとえば、相手の立場を汲み取ることが最終的に事件・事故の原因に繋がるような場合は、その忖度は悪い忖度となります。
会社を経営していれば、あらゆるビジネスシーンで顧客や取引先の立場を汲み取る場面に出くわします。
その際、経営者は、その忖度が果たして良い忖度か、あるいは悪い忖度か、冷静に考える必要があります。
忖度とは、単に相手の立場を汲み取る行為です。
しかし、実際はそれに止まらず、後になって、自分が相手と同じ立場に立っていたと周囲から見做されることを、覚悟しておかなければなりません。
経営者は、相手への忖度が求められる場面では、常に相手の立場を自分に置き換えて、その忖度をすべきか否か、慎重に判断する必要があります。