新紙幣とキャッシュレス
20年ぶりに新しい紙幣が発行されました。
1万円札には渋沢栄一、5千円札には津田梅子、千円札には北里柴三郎が描かれています。
一方、最近はキャッシュレス化が進んで、現金を利用する機会は段々と減ってきました。
現金志向が根強いといわれているシニア層でも、お得なポイント還元を目当てにキャッシュレス利用を始める人が増えており、消費者のキャッシュレス利用は着実に増えています。
また、今回の新紙幣発行では、事業者側のキャッシュレス化を進めたい事情が明らかになっています。
中小の飲食店では、店内に設置した券売機の改修コストが意外に大きいことが話題になりました。
財務省の調査によると、新紙幣発行直前の6月末時点で、飲食店の新紙幣対応券売機の導入割合は半分程度にとどまるそうです。
中小の飲食店では、原材料の高騰や賃上げなどで経営が厳しく、券売機の改修におカネをかけるくらいならキャッシュレスで十分と考える事業者の数が少なくないことをあらわします。
また、バス業界からは、現在の現金払いとキャッシュレス払いが混在する業務の負担に加え、今回の新紙幣対応のコストが重いことから、バス運賃を現金で受け取らない完全キャッシュレス化の実施を求める意見が出されました。
日本はこれから、必要求人に対して労働者の不足が続きます。
そのため、事業者は社員の労働時間を減らしながら、業務の生産性を引き上げていく必要に迫られています。
その点では、おカネを扱う業務のキャッシュレス化は、社員の労働時間の削減に直結するため、事業者側では不可避の対応となります。
今後も、多方面でキャッシュレス化の動きはどんどん進むでしょう。
次回の新紙幣発行が果たしてあるのかどうか、誰にも予想がつかない時代となりつつあります。