税制調査会
税制は、租税負担の公平など基本理念に沿いながら、経済や社会の変化に対応して常に見直していくことが必要です。
例年この時期には、様々な税制改正要望等を踏まえつつ、来年度予算の編成作業と並行して税制改正作業が行われます。
令和7年度税制改正では、自民・公明・国民民主の3党による年収103万円の壁の見直し協議が本格化します。
所得税の課税最低限度の引き上げ額によっては、税財源の確保をめぐる議論へと発展しかねません。
税制改正の手続きは、国会で法案が審議されたのちに法律として成立しますが、その前段では、有識者中心の政府税制調査会が中長期的視点から税制のあり方を検討し、毎年の改正内容は与党税制調査会が利害を調整して具体案を詰めます。
政府税制調査会が2023年6月にまとめたの中期答申では、財政の持続可能性を維持するために、税の公平・中立・簡素という3原則に加え、十分な税収を確保するという意味の税の十分性を原則に位置づけるよう求めました。
この提言は、当時少子化対策や防衛費増額などの歳出増政策を続ける岸田政権に対して、政府税制調査会が税財源確保の重要性について警鐘を鳴らしたものといえます。
近年の税制改正の議論では、政治主導の下で有識者の意見が軽視されているように感じます。
税財源確保の重要性は、国の財政基盤に直結する問題であり、自民・公明・国民民主の3党は、必要な負担増の議論を避けずに、所得税の課税最低限度を大幅に引き上げれば、将来世代のツケがさらに膨らむことを国民に対してしっかりと説明すべきです。