納税者の気持ち

税金は私たちの社会を支える基盤です。

道路や公共交通の整備、警察や消防の活動、教育や医療制度など、日常生活に不可欠なサービスの多くは税金によって成り立っています。

とはいえ、税金を払いたくないという気持ちは、多くの経営者が抱く率直な感情です。

申告書の法人税や消費税の金額を目にするたびに、会社の努力の成果が国に吸い取られていると感じることが少なくありません。

とりわけ、物価の上昇で先が読めない経営環境の中、その思いは一層強まります。

多くの経営者が税金を払いたくないと思う理由の一つに、税金の使い道に対する不信感があります。

政治家の不祥事や国の無駄遣いが報じられるたびに、会社が支払った税金が正しく活かされているのか疑問になります。

また、税負担の公平性への不満もあります。

大企業と中小企業の負担感の違い、減税政策に対する不満は、納税意欲を削ぐ要因です。

しかし、どの会社も税金の支払いから逃げることはできません。

会社が社会の一員として活動している以上、税負担を分かち合わなければ成り立たない仕組みだからです。

重要なことは、納税者が少しでも納得して税金を支払えるようにするための環境づくりです。

政治家や国は納税者の気持ちを単なる不満で終わらせるのではなく、税金の使い道を明確に示すことはもちろん、無駄な予算や非効率な支出を減らして生産性を高める力にすることが大切です。