グローバルミニマム課税の行方

トランプ大統領は、OECD(経済協力開発機構)が中心になって議論し、2021年10月に約140の国と地域が合意したグローバルミニマム課税から、米国が事実上離脱する方針を表明しました。

グローバルミニマム課税とは、国際的な法人税の負担の引き下げ競争に歯止めをかけて、世界各国の企業が税制面で公平な競争ができる環境を確保するルールです。

このルールが作られた背景には、グローバル企業がタックスヘイブン国に子会社を設立して本来の法人税の課税を免れたり、外国企業を誘致するために自国の法人税率を大幅に引き下げる国が出現したりして、そのまま放置すると世界各国の法人税収の基盤が揺らいでしまう恐れがあったためです。

また、企業活動や経済活動のデジタル化が急激に進み、企業が所有するデジタル無形資産の価値が増大化する一方で、デジタル無形資産は世界中のどの国に所在しても問題がなく、資産の所在国で法人税を課税する仕組みは機能しないことになりました。

今後、実際に米国がグローバルミニマム課税のルールから離脱した場合に、果たして残された国々だけでグローバルミニマム課税の本来の目的は有効に機能するのでしょうか。

この問題に詳しい専門家の間では、早くも、グローバルミニマム課税が最終的には頓挫するのではないか、という悲観的な意見が出始めています。

過去10年以上にわたり、世界の各国が努力して漸く合意できた新しい課税ルールの行方は、まさにトランプ大統領の今後の判断次第ということになりそうです。

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