岸田政権100日にみるリーダーの意思決定
岸田政権の発足から100日余り、18歳以下の現金給付やコロナ変異株への水際対策など、一度は決めた方針を状況次第で柔軟に変更する動きが目立ちます。
街では、コロコロ方針を変えるので信用ができない、という見方がある一方で、話を聞いて、すぐに間違いを正すのがいい、という声もあります。
今のところ、政権の支持率は上昇中で、国民は柔軟な対応を評価しているようです。
意思決定の意味
意思決定とは、文字通り、目標のために何をするか(意思)を決めることです。
私たちは、日常生活の中で様々な決め事をしたり、人生の岐路と思える重大な選択をします。
時には、意思決定の結果が当初の想定とは異なり、考えもしないところに向かうことがあります。
それでも、私たちは、その結果を謙虚に受け止めて、どうしてそうなったのかを考えて、次は同じ失敗を繰り返さぬように学んでいきます。
方針変更の弊害
意思決定をしたあとに方針変更をすると、上手に軌道修正ができたとしても、最初の意思決定の目標からズレてしまうことがあります。
状況に応じて方針を変えることが悪いわけではありません。
ただ、最初の目標からズレていく方針の変更は問題です。
大切なのは、本来やるべきこと(目標)のために何をするか(意思)をしっかりと決めることです。
失敗を恐れて状況変化を後追いするだけの柔軟な方針変更に意味はありません。
組織の意思決定
組織が大きくなるほど意思決定の数は増えていきます。
また、意思決定の種類も、リーダーの意思決定、経営幹部の意思決定、現場責任者の意思決定、担当者の意思決定、と様々です。
組織が一丸となって力を発揮するには、個々の組織が有機的に結合しながら、与えられた権限と責任の範囲で、積極的かつ自発的に意思決定をして行動することです。
リーダーの意思決定
リーダーの役割は、組織の存在意義を定義して、将来実現したい姿を描くことでスタートします。
そのうえで、その姿を組織の隅々にしっかりと伝えながら、個々の組織がその実現に向けて積極的かつ自発的に意思決定できるように導くことです。
かりに、一部の組織が意思決定を誤り、一時的に結果が裏目に出たとしても、その意思決定が本来の目標からズレていないのであれば、大きな問題ではありません。
むしろ、その失敗からできるだけ多くを学び、次からの意思決定に活かしていくチャンスです。
リーダーが意思決定でこだわるべきは、本来の目標の達成であり、個々の組織の意思決定を応援することです。