仕事のスピードと質
マイナンバーカードのミスやトラブルが相次いでいます。
野党は、政府がデジタル社会実現のためにマイナンバーカードの普及を急ぎ過ぎたことが、問題の原因だと追求しています。
仕事を進める上で、スピードと質をどのように両立させるかは、悩ましい問題です。
仕事が速くても雑であれば、何か問題が起きるかもしれず、仕事が丁寧でも期限ギリギリでは困ります。
仕事は大きく分けると、品質や精度を少し犠牲にしてもスピードを優先させる仕事と、スピードよりも品質や精度を重視する仕事に分類することができます。
仕事をマネージメントする人は、その仕事がどちらの種類の仕事なのか、最初に判断することが大事です。
また、仕事を評価する際は、仕事のスピードと質では評価上の注意点が異なることを理解しなければいけません。
すなわち、仕事のスピードは速いか遅いかが容易に評価できるのに対して、仕事の質はその良し悪しの評価が難しいことです。
日本の会社は、品質や精度を重視する仕事の意思決定をする際も、自分の勘や経験に頼る傾向があるそうです。
ですから、品質や精度を重視する仕事の良し悪しが問題となった時に、仕事に精通した人の意見や判断を参考程度にしか聞かずに意思決定を下すことがあります。
しかし、品質や精度を重視する仕事を過去の成功体験で評価するのは危険です。
会社が利益を追求するものである以上、仕事のスピードと質の両立からは逃げることができません。
ですが、仕事の質が問題となった時は、その仕事に詳しい人の意見や判断を尊重する姿勢が必要です。
仕事の質は、個人の勘や経験ではなく、科学的なエビデンスに基づき意思決定すべき問題といえます。